医療法人設立には出資金が必要となります。
必要となる出資金は、『2カ月分の運転資金』になります。
この『2カ月分の運転資金』が必要な理由は、社会保険や国民健康保険の保険請求分は2ヶ月遅れて入金されます。このことから医療法人の収入は、窓口収入以外、2ヶ月後にならないと入金されないと言うことになり、給与や賃料などの必要経費を支払いながら医療法人を経営していかなければならないため、『2カ月分の運転資金』が必要となります。
正確に言うと、窓口収入+出資金=『2カ月分の運転資金』です。
※愛知県の場合は、窓口収入は含まず、2ヶ月分すべて必要となります。
個人診療所を法人にする場合
個人診療所を法人にする場合は、個人診療所時代の保険請求の入金がありますから、この個人診療所時代の保険請求分の医業未収金を出資することもできます。
これが運転資金の一部とみなされます。
ただし、必ずしも医業未収金を出資しなければならないわけではなく、現金等のみで『2カ月分の運転資金』をクリアできるのであればこの医業未収金を出資する必要はありません。
また、医療機器等を現物出資することはできますが、この場合でも『2カ月分の運転資金』は必要となります。
現金や預金の出資を少なくする方法
この『2カ月分の運転資金』ですが、医療機器等を現物出資しない場合には、医療法人を運営するため、医療機器等の購入費用または賃借料、土地や建物の賃料が必要となり、多くの資金が必要となります。
逆に言えば、医療機器等を現物出資をすれば、その分必要経費は安くなりますから、必要となる現金や預金も少なくなります。
この『2カ月分の運転資金』という出資金を計算する場合、例えば初年度の事業年度が1年である場合には、予算書の初年度支出額を単純に12カ月で割って、その2ヶ月とするように各都道府県で指導されます。
しかし、単純に初年度支出額の均等割りであると、法人設立直後2ヶ月の運転資金よりも必要とされる運転資金が多くなる場合もあります。このあたりについては、各都道府県の担当と事前によく打ち合わせをし、『2カ月分の運転資金』の算出根拠等を十分に説明すれば、理解してもらえるケースもあります。