出資額限度法人とは、社員(出資者)が退社したり、法人が解散しても払戻す金額は出資額を限度にすると言うことを定款において明らかにする社団医療法人のことをいいます。
これは、医療法などの法令で定められているものではなく、定款によって定めるということです。法令で定められていないため、詳細については明らかではないのですが、国税庁から、下記の4つの要件を満たさない限り残存出資者に対して課税の問題が生ずることとなります。
- 出資者3人及びその者と特殊の関係を有する出資者の出資金額の合計額が、出資総額の50%を超えていないこと
- 社員の3人及びその者と特殊の関係を有する社員の数が、総社員数の50%を超えていないこと
- 役員のそれぞれに占める親族関係を有する者及び特殊な関係にある者の数の割合が3分の1以下であることが定款で定められていること
- 役員等に対し、施設の利用、金銭貸与、資産の譲渡等その他財産の運用及び事業の運営に関し特別の利益を与えないものであること
このうち1~3については、当初要件を満たしていても社員が1人でも欠けてしまうと要件を満たさなくなってしまうことが考えられるため、常に社員を増員などしなければならず、なかなか難しいと思われます。
残存出資者はもらってもいないお金に課税されるため、医療法人設立時や定款変更をする場合でも、この出資額限度法人になる場合には、解散時のことも考えて慎重に検討することをおすすめします。